新子安「お弁当の伊兵衛」──唐揚げ40キロ、1日600個。朝5時に開く駅前の弁当屋

JR新子安駅から徒歩30秒、テイクアウト専門の弁当屋。仕込みは朝4時32分に始まり、5時に開く。1日に使う鶏肉は40キロ、売れる弁当は600個。63歳の店主が「もったいない」の一言で引き受けた店の、朝からランチまでを追った。

JR新子安駅の改札を出て、徒歩30秒。京浜工業地帯の入口にあたるこの駅の前に、まだ暗い午前5時から灯りをつけている店がある。お弁当の伊兵衛。席はない、テイクアウト専門の弁当屋だ。

仕込みが始まるのは4時32分。厨房ではもう唐揚げが揚がっている。1日に使う鶏肉は40キロ、米は20キロ。そして売れていく弁当は、600個。

店主の吉田ひとみさんは63歳。創業は6年前。この店は、彼女の「もったいない」という一言から始まっている。

動画の目次

時間

内容

0:35

店主・吉田ひとみさん(63歳)

0:53

唐揚げの仕込み──下味と片栗粉

2:58

おにぎり200個を並べる

4:05

メニューと値段

4:42

開店直後、最初の客

5:04

カツ煮を仕込む

8:56

常連客に聞く

10:52

米は1日20キロ

12:57

蓋が閉まらない唐揚げ弁当

16:32

店の始まりを語る

18:21

週2で通う二人組

「もったいない」から始まった店

もともとこの場所は、唐揚げを売る店だった。吉田さんの父親が工場を営んでいて、そこの直営店にあたる。ただ当時は、厨房で何かを作っていたわけではない。仕入れたものをコンビニのように並べて売る、それだけの店だったという。

その店の経営が傾いた。閉めようかという話が出たとき、吉田さんが口を挟んだ。

もったいないんじゃないって言って、私がこれを始めた

それが6年前。いま棚に並ぶものは、唐揚げも、おにぎりも、カツ煮も、フライも、ほとんどが厨房で作られている。

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唐揚げ40キロ、一日はここから始まる

一日は唐揚げから始まる。前の晩からにんにくと醤油で下味をつけておいた鶏肉に、片栗粉をまぶす。フライヤーに沈めて、5分。

味は3種類。醤油、うま塩、にんにく。うま塩は塩麹と昆布、白ごまで仕込む。醤油とにんにくを半分ずつ、といった組み合わせでも通る。

1日に使う鶏肉は40キロ。揚がった唐揚げはトレイに山と積まれ、レジ横のショーケースへ運ばれていく。開店前の厨房で、この作業がひたすら続く。

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5時開店、おにぎりは20種類

唐揚げを揚げながら、店内の準備も進む。ショーケースに電気を入れ、カバーを外し、商品を並べていく。

おにぎりは20種類。この日は200個が棚に収まった。ゆでたまごは塩付きで50円。サンドイッチのコーナーもある。朝の短い時間に片手で買えるものが、レジのそばに集められている。

5時、開店。外はまだ暗い。

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「特盛450グラム」という単位

店内の黒板には、唐揚げの量が重さで書かれている。

サイズ

唐揚げの量

特盛

約450g

約320g

約260g

約195g

主な値段は次の通り(動画撮影時点)。

メニュー

価格

鶏唐揚げ弁当(中盛)

690円

鶏唐揚げ弁当(大盛)

830円

唐揚げ親子丼

650円

カツ丼

640円

特大どデカメンチカツ弁当

750円

デカ盛り煮込みハンバーグ弁当

700円

惣菜の単品

100gあたり250円

ゆでたまご(塩付)

50円

動画には、ご飯大盛り・唐揚げ中盛・にんにくと醤油のハーフで注文した客が出てくる。唐揚げが丼から溢れて、蓋が閉まらない。それで730円だった。

米も1日に20キロ使う。炊飯には新しい機械を入れ、炊き加減まで調整しているという。

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弁当の種類は「数えたことがない」

弁当は何種類あるのか。聞かれた吉田さんの答えは、あっさりしている。

数えたことないの

動画に出てくるだけでも、明太子弁当、生姜焼き弁当、ハムエッグ弁当、味噌カツ弁当、ハンバーグ&唐揚げ弁当、大根の葉唐揚げ弁当、茄子大葉豚肉巻きフライ弁当、チリマヨ唐揚げ弁当、シーフードフライ弁当、麻婆茄子丼、カツ煮丼、そして日替わり弁当。

大根の葉を唐揚げと合わせた弁当のように、他ではあまり見ないものもある。この日の日替わりは、豚肉のコチュジャン炒めだった。

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ピークは朝7時と、夜7時

客のピークは朝7時。そしてもう一度、夜7時。その間、店に休憩はない。

近くに工業地帯があるため、夜勤明けの客も多い。朝の早い時間からがっつりした唐揚げ弁当が売れていく理由でもある。

働き方について聞かれた吉田さんは、こう答えている。

自分を削らないとダメだね

睡眠は「寝れるときに寝たい」。それでも5時間は寝たい、と続けた。

常連もつく。週に2回来るという男性二人組は、ハンバーグ弁当ばかり食べている。月に10個は固い、いや15は食べている、自分たちより食べている人間はいない——そんな話をしながらレジに並んでいた。

毎朝通っているという男性のおすすめは、唐揚げ親子丼だった。とにかく唐揚げが大きくて食べ応えがある、と言う。650円である。

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店舗情報

店名

お弁当の伊兵衛

住所

神奈川県横浜市神奈川区子安通3-289

アクセス

JR新子安駅から徒歩30秒

形態

テイクアウト専門(イートインなし)

開店

5:00(動画撮影時点)

仕込み開始

4:32

1日の販売数

約600個

創業

6年前

営業時間や定休日は変わることがあります。訪問前に最新情報の確認を。動画で見る

ここまで書いてきたが、朝5時の駅前の空気だけは、文字にすると痩せる。

まだ暗いうちから灯りのついた店、電車が着くたびに増えていく人、3秒で弁当を決める常連、蓋の閉まらない唐揚げ弁当。ランチタイムの12時38分まで、この店の一日は止まらない。

その速度は、ぜひ動画で。

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